MENU
カテゴリー
\気になるカテゴリーをクリック!/



Anthropicが2026年3月17日、「Claude Dispatch」をリサーチプレビューとして発表しました。
We're shipping a new feature in Claude Cowork as a research preview that I'm excited about: Dispatch!
— Felix Rieseberg (@felixrieseberg) March 17, 2026
One persistent conversation with Claude that runs on your computer. Message it from your phone. Come back to finished work.
To try it out, download Claude Desktop, then pair… pic.twitter.com/r6OH46Ll89
コンセプトはシンプルです。
デスクトップで動くClaudeに、スマホからメッセージを送れる。
外出先でタスクを積んでおいて、帰宅したら仕事が終わっている。
そういうUXを、今日から試せます。
この記事では、Claude Dispatchが何をしていて、何ができて、なぜ今はまだ「実用品」でないのかを整理します。


AnthropicはClaude Coworkの公式ヘルプで、Dispatchを「デスクトップとスマホで共有される1本の永続的な会話スレッド」と定義しています。
従来のClaudeは、セッションを閉じると文脈が消えました。次に開いたときは白紙から始まる。Dispatchはこの設計を崩しました。会話が続きます。スマホから送ったメッセージも、デスクトップで起動中のClaudeも、同じスレッドに繋がっています。
クラウドのAIに送っているのとは違うの?
ここが重要な点で、DispatchはAnthropicのサーバーにタスクを送るのではなく、自分のMacのCoworkセッションにスマホから指示を飛ばす設計になっています。ファイルもブラウザも、PC上の全リソースにClaudeがアクセスできる構造はそのまま維持されます。
Claude CodeのRemote Control(2026年2月リリース)が開発者向けに先行実装されたのと同じ発想を、Coworkという非エンジニア向けの文脈に持ち込んだのがDispatchです。データはローカルから出ない。これがAnthropicの設計判断です。


セットアップは3ステップで完結します。
対応プラットフォームはmacOSとWindows x64。現在はMaxプランが優先で、Proプランは数日以内に展開予定です。
スマホから操れるのは「PC上でClaudeができること全部」です。
ローカルのスプレッドシートからデータを取り出してレポートを生成する、SlackとメールをまたいでブリーフィングDocを書く、Google DriveのファイルからAPI経由でプレゼンを作る。
スマホ単体では開けないローカルファイルやアプリにも、Dispatchを経由することでアクセスできます。
技術的な核心はCoworkのサンドボックスにあります。
ClaudeはPCのリソースにアクセスしますが、サンドボックス内で動きます。
ファイルへのアクセスも、触れる前にユーザーへの確認を求める設計になっています
。「Claudeが何をしているか見えない状態での遠隔操作」に対する安全装置です。


MacStoriesによるハンズオンレポートが、Dispatchの現在地を端的に示しています。
| タスク | 結果 |
|---|---|
| 特定の単語を含むスクリーンショットを検索 | ✅ 成功 |
| Notionデータベースを要約 | ✅ 成功 |
| iMessageでスクリーンショットを送信 | ❌ 失敗 |
| Safariのアクティブタブを表示 | ❌ 失敗 |
結論として、「データを見つけて要約する」はできますが、「見つけた結果を外に出す」は壊れがちです。



50%しか動かないなら、試す意味あるの?



リサーチプレビューとしては想定の範囲内だと思います。ただ、数週間で急速に改善されることを期待するのが正直なところです。
加えて速度が遅い。
実用品として日常のワークフローに組み込む段階には、明らかにありません。
Anthropicも「リサーチプレビュー」と呼び、数週間以内の更新を予告しています。
50%という成功率は、まだプロトタイプの段階にいることを正直に示しています。


Dispatchがまだコンセプト止まりな理由は、1文で言えます。
PCが起動していないと何もできない。
スマホから指示を送っても、MacがスリープしていればClaudeは動きません。
Claude Desktopが閉じていれば同様です。「離れていても仕事が進む」というコンセプトは、実質的に「デスクを離れているが、PCは起動している」という限定的な状況でしか成立しません。



じゃあ結局、ずっとPCをつけっぱなしにするってこと?



そうなんですよ。今のDispatchは「席を外している間」専用の機能です。外出中に使うには、帰宅まで自宅のPCを起動させておく必要があります。
真の「どこでも稼働」には、ローカルかクラウドかという二択を超える仕組みが必要です。現状のDispatchはその手前の段階にあります。
裏を返せば、ここに現在のローカルAI設計の根本的な矛盾があります。プライバシーとセキュリティのために「データをローカルに置く」判断をした結果、AIが働ける場所もローカルに縛られる。Dispatchは、その問いを正面から突きつける機能でもあります。


Dispatchが示す方向は、AIが「クラウドの向こう」ではなく「自分のPCの上」にいることの意味を問い直すことです。
Anthropicは今、2つの並行した実験を走らせています。
1つはDispatchのように「ローカルで動くAIをスマホから遠隔操作する」モデル。
もう1つは従来型のウェブインターフェース経由での会話、クラウドモデルです。
どちらが「AIの本来の居場所」なのかは、まだ誰も答えを持っていません。
Dispatchというプロダクトが出てきたことは、Anthropicがその問いを真剣に考えている証拠だと思います。
「どこにいてもAIと仕事をする」が次の10年の標準になるとすれば、その初期実装を今、研究プレビューという形で公開しているということでもあります。
50%の成功率を笑う前に、2015年頃のスマートスピーカーが「50%は聞き間違える」段階だったことを思い出します。
その10年後、スマートスピーカーは台所の常設品になりました。Dispatchも同じ軌跡をたどるかどうかは分かりませんが、この問いに本気で向き合っているのはAnthropicだけではないことは確かです。
Claude Dispatchに関するよくある質問をまとめました。
現在はMaxプランが対象で、Proプランへの展開は数日以内に予定されています。無料プランでは利用できません。
Claude DesktopはmacおよびWindows x64に対応しています。スマホ側はiOS・Android両方のClaude appが利用できます。
使えません。DispatchはPCが起動していてClaude Desktopが開いていることが前提です。MacやPCがスリープ・電源オフの状態ではClaudeが動作しません。
Claude Dispatchは、スマホをデスクトップClaudeのリモコンにする機能です。
リサーチプレビューの現在、データ検索・要約は動きますが、外部共有・出力系の成功率は約50%。PCが起動していないと動かない制約もあります。
実用品になるのはもう少し先ですが、「ローカルAIをどこからでも使う」という方向性は明確で、今後の更新次第で一気に実用的になる可能性があります。
試すなら、Claude Desktopの最新版をインストールして、Cowork内のDispatchメニューからQRコードをスキャンするだけです。
Maxプランユーザーは今日から、Proプランユーザーも数日以内に試せますよ。
コメント